世の中の価値観の変化

パラダイムともいわれる人々の価値観は、時代とともに大きく変貌してきています。

これまで(時代への最適化)

モノ

モノそのものの価値

卓越した技術に裏づけられた高性能高品質な商品を、いかに早く安く大量に製造し販売するか。競争や戦争(戦略・戦術)をメタファーとする、市場の獲得と占有がビジネスの命題。

このところ(反動/揺り戻し)

モノ+コト

使用したときの経験の価値

モノそのものではなく使った時の経験が着目され、レンタルや従量課金などのモデルが出てくる。おもてなしやギフトなど利他的なサービスがメタファーとなる。

これから(本来の姿)

モノ+コト+つながり

関係性や信頼による価値

シェアやサブスクリプションなどのモデルのように、つながりの中から継続的に価値をスケールさせていく、ビジネス生態系の中での相互共生をメタファーとする世界。

デザインアプローチの変遷

その変化の中で、価値を生み出そうとするデザインのアプローチも変遷してきています。

匠のデザイン

卓越した職人技をベースに、効率的な分業の中で、プロとして意匠を凝らす。自らの問題意識や価値観と向き合う自分との闘いから繰り出される、インサイドアウトのモノに対するアプローチ。

チームのデザイン

さまざまな職能の専門家が得意なことを持ち寄り協働する。創発によるチームダイナミクスを発揮し、他者との共感が駆動するアウトサイドインの人間中心アプローチ。

みんなのデザイン

関係者全員が全能力を発揮し価値を共創する、自他を超えたシステム発想。インサイドアウトとアウトサイドインを統合した、オープンな包括的・全体的アプローチ。

デザインについて

「デザイン」という言葉は、バズワード化していて、人によってとらえ方も様々ですが、広義に考えてみると、今のそしてこれからのビジネスの取り組みに生かせるヒントがあると考えます。

デザインとは

モノやコトや仕組みがより好ましくなるように、丹精込めて、工夫すること。色や形だけでなく、なにかを考えたり、作り上げたりするときに、いろいろと使える、汎用性のあるやり方、心構え、振る舞い。

デザインの特徴

いままでのビジネスの現場で、ちょっと忘れられていたやり方。手を動かしたり視覚を活用して、左脳と右脳両方をフルに使う。まず作ってみる、回り道して、いろいろ試しながら改善していく。ひとりでもできる、いろんな人と一緒にやると、もっとうまくいく。

なぜ今必要なのか?

世の中が大きく変わり、これまでのやり方だけでは通用しなくなってきている今、すべての職種・役割の人たちに、特別なセンスや技能ではなく、誰もが元々持っているデザイン能力を自分の中から呼び覚まし、ビジネスやイノベーションに活用することが必要となってきている。

このページのコンテンツの内容は、東芝版デザイン思考「カスタマーバリューデザイン®」の考え方と連動しています。
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