女子美術大学芸術学部の共創デザイン学科で5日間の「デザインシンキング」集中演習実施しました
多様な領域の人々と共に新しい価値を創り出す優秀なベテランデザイナーのやり方を、デザイナー以外の人でもビジネスの様々なシーンで実践できるように形式知化された方法論「デザインシンキング」の型を集中的に体感することで、共創デザインを効果的に実践していくうえで必要な考え方、心構え、振る舞いを学びました。
今回は、コロナ期間ではなかなか実現できなかった対面ワークショップ形式でしたが、すべてのワークの履歴を残せたり、いつでも俯瞰し参照出来たりとオンライン研修で効力を発揮したデジタルホワイトボードも活用し、手を動かして創りながら考える、演じながら考えるといったリアルならではの良さをふんだんに盛り込みながら、リアルとデジタルいいとこどりをした濃密なワークショップ型の学びを実施できました。
1日3コマ4.5時間×5日間の演習で、「デザインシンキング」のプロセスを計3回、テーマや実施条件を変えて繰り返し実践し、デザインのプロセス/ツール、マインドセット/リテラシーについてカラダとアタマに刻み込み、「その人の価値観や考え方に興味を持ってみる」「考えを受け入れる、人の気持ちに寄り添う」…といった基本的なことの大切さを実感しました。また、「毎回最初にやる『バカげた質問』みたいなミニゲームでコミュニケーションしやすい環境を整える場の作り方や入り方って大事」「メンバーお互いを知るためにタイプを診断したり、自分の特徴や夢と向き合ったりすることも大事」「空中の会話だけで終わらないように、話しながらどんどんメモして可視化し、見返せる状態にすることが大事」…など都度体験を振り返り言葉にして内省することで、体験学習のサイクルを回す感覚を身につけました。
連日気の遠くなるような暑さの中の、あっという間の日々でしたが、最後の振り返りでは、「最初は少しパンク気味だったが、最終日には慣れ、失敗を恐れずに、少しでも気になることはチームに共有できる姿勢が持てていた。」「手順を踏みながら、それぞれがきちんと役割を意識しながら書き出し考えていくことで、こんなにも思考が広がるのだと知ることができた。」「共創することで新たな視点やアイデアが出てきて、より柔軟な考え方ができた。段々チームの中で変な遠慮がなくなってきて色々言い合えたのがとてもよかった。」「今まで自分の意見を言うことは正直とっても苦手だったけれど、この5日間で沢山自分の意見を出せた気がして、とても成長できた気がする。」…など、それぞれに手ごたえを感じていました。
共創デザイン学科の学生たちは興味も目標もいろいろですが、最初はデザインに苦手意識のあった人も「デザインシンキングってめっちゃ面白いじゃん!」「この5日間で学んだことはどんな職業や家庭や友人間どこでも使える」…などの気づきを得て、デザイナーを志望する人も別の道を志向する人も、それぞれの「共創デザイン」に今回の体験をどう生かしていくか、明日からの研鑽の指針をそれぞれの言葉にして、濃厚な5日間を終えました。皆さん本当におつかれさまでした!これからのご活躍をお祈りしています